3Dプリンターで銃を作ろう→重罪だから(慈悲はない)
例の「3Dプリンターで拳銃を作って逮捕された」事件ですが、周囲の密告とかでパクられたのかと思ったら、犯人は「銃所持の権利」とか「国民の武装権」を主張して銃を製造して、その主張や試射の模様をネットにアップしていた、いわゆる確信犯だったみたいです。
あと「メイド」とか「ドール」も大好きだったらしい…。ドール沼に沈んだ者だったか。
●硫化水素とこんにゃくゼリーの再来か
ということで、早くもマスコミなどは「3Dプリンターで簡単に銃が作れる!」とか詳細に紹介していて、以前の「硫化水素自殺」の時の教訓を全く生かしてないし、一方、「3Dプリンターは危険だから規制を~」みたいなことを一部の政治家といっしょに早速言い出したりと、かつての「こんにゃくゼリー規制騒動」を思い起こさせます。
今回の犯人は、改良したとはいえ、ダウンロードした出来合いの設計図を使っただけなので、技術的には高く評価するようなものではありません。
3Dプリンターで作った、銃身まで樹脂製の拳銃なんかで本当に弾が撃てるかってのは大いに疑問ではありますが(強度不足でせいぜい数発でバラバラになるんじゃないのか、とか)、そもそもどうやって銃弾を入手するのかという問題もあります。
●銃の製造・不法所持は重罪(慈悲はない)
しかし、マスコミが詳細な方法を教えちゃうと、とりあえず真似しようとするアホが出てくるのは鉄板パターンなので先に言っておくと、日本で勝手に銃を造ったり(武器等製造法違反)、許可なしに所持したり(銃砲刀剣類所持等取締法違反)、そこら辺でぶっ放したり(銃刀法の発射罪)すると、ネットで犯行予告どころでない、とんでもなく重い刑罰が課されるのでネタでもやめておいたほうが身のためです。
たとえば、お札のコピーとかスキャンって、やろうと思えば子供でもできますけど、重罪だと知ってるから誰もやらないのと同じです。
もともと日本では一般人の銃(とくに拳銃)所持に厳しい規制が課せられているのと、1990年代に暴力団およびその周辺者による発砲事件・銃犯罪(当時は「一般市民による銃犯罪」と報道された)が多発したため、規制を求める世論の声に乗って刑罰を重くしたり「発射罪」を新設したりした結果、日本では違法に銃を所持して発射しただけで一発無期懲役もありうるくらいの重罪になりました。
●ハンドガンで何をしようと言うのかね?
また、犯人が行っている「一般市民の武装権」とか「銃を持てば力の弱い者でも、強い者と対等になれる」という主張は、普通の日本人の感覚から見ると、非常に奇異なものとしてとらえられますが、アメリカではよく言われている内容だったりします。銃のことを"equalizer"(平等にするもの)なんて言ったりしますし。
アメリカでは「民主主義の維持のために銃が必要」とか、「政府(連邦政府)への抵抗のために武装が必要!」みたいな主張は、NRAとか共和党右派とかどっちかっつーと保守的な人が信奉している傾向がありますが、日本における「政府に対する抵抗の手段としての市民の武装権」議論って、戦後すぐの頃に左派系の学者がやっていたんですよね。だから左翼運動末期の連合赤軍とかも、「とりあえず銃砲店襲撃すっかー」てなノリだったわけで。
なもんで今回の犯人も、もしかしたら当局からはコイツ左翼じゃねーのかとか思われてるかもしれません。
加えて、確信犯的に違法に銃を製造して所持して試射動画をアップするなどして当局を挑発して法廷で反省もしないでいたら、製造所持発射の役満で一発無期もありうるかもしれません。
個人的には一般人が銃を持つことには反対します。だって、日本人は物の扱いがぞんざいすぎるから。銃なんか持ったら、迂闊に引き金を引いて誤って発射して自分や家族を殺したり、盗まれて犯罪に使われる人がいっぱい出ます。それに、日本は土地が狭くて人口密度が高いので、銃自体が向かない土地です。「見渡す限り自分の土地で、心おきなく.308をズッダァーン!!」なんていうアメリカと同じに考えてはいけません。
それに、「政府の横暴に銃で対抗する」って、ハンドガンごときでおめー何する気だ?厨二病かよ?って感じです。
●3Dプリンターが悪役に?
昔の刑事ドラマでは、「NCマシン=銃の密造」みたいな文脈で語られていました。もちろん実際にはそんなことはありません。
これからしばらくの間は、「3Dプリンター=銃密造」みたいなイメージになるかもしれません。
3Dプリンターという技術自体に罪はなく、印刷工業分野だけでなく生物医学分野から娯楽まで、未知の可能性を持っているものだけに、マスコミとマスコミに踊らされた一般人向けのアピールとしての馬鹿げた規制や天下り団体の新設などをせずとも、現行の法体系でも、造っただけで重罪だよってなことを周知するだけで抑止はできます。
むしろ、今回の犯人がなぜ「3Dプリンター」で「拳銃」という部分に「こだわった」のかが謎。まあ、「メイド」にもこだわってたようだし、例の「こだわる人」の傾向だったんでしょうけど。
●かこつけて仕事を作り出すのも才能
「まだ実際に規制が入ると決まったわけじゃないもん!」と言う人もいますが、実際にやらないまでも、「何かできることを検討」するだけで彼らは仕事をしたことになり、また検討委員会とかなんとかいろいろ会合を作って、やれ知識人だのに「ヒアリング」とかして新組織立ち上げて……とかやってるだけで、あら不思議、政治家から官僚や弁護士法曹界の人間までみんな仕事が増えるので、決して悪い話ではありません。
民間企業では、下手に仕事を効率化すると、人が減らされたりして失業者が増えて残った人の仕事が増えますが、このように新しい仕事を無理やり作って、決して効率化とか労働生産性向上など絶対にせずに、毎日ダラダラと残業して、「ああ、忙しい忙しい、はうう~」とか言ってるほうが利口なのではないか、そんな気がしてきています。![]()
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| 半沢 隆実 | |
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